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液体窒素対応小型タグ

液体窒素対応小型タグ

2.4mmx3.5mmという小型なアンテナにICチップを取付けた、超小型のICタグを開発しました。このタグは独自の技術を使い、
-196℃の液体窒素の中でも読み取り可能。現時点では、-196℃の環境で動作する類似製品はありません。(特許申請中)

特長

 一般的なRFIDタグの動作温度は-80℃~+150℃ですが、さらに低温環境で使用したいというニーズがあります。
例えば、医療や農業分野では細胞や組織そして遺伝資源等を長期間安定して保存するために、-196℃の液体窒素タンク内でサンプルを長期に保管します。

その際に保存したサンプルの情報を容器に記録しますが、手書きでは書き間違いや消えるという問題点があり、また機械読みが出来ないのでシステムでの管理が出来ません。

他にバーコード方式もありますが、ラベルが剥がれて容器の情報が失われてしまうという欠点があります。
さらに、液体窒素から容器を取り出すと空気中の水分が冷やされ不透明な霜となって表面を覆うため、バーコードリーダで情報を読むために指でこすって霜を取り除く必要があります。


 KRDは検体チューブ用に-196℃の液体窒素中で動作するタグを既に製品化していますが、今回 体外受精の分野で利用可能な、卵子や受精卵の個体管理に最適なタグを開発しました。

それが受精卵凍結保存容器用ICタグです。

 体外受精の治療では、女性の卵巣から成熟した卵子を直接取り出し(採卵)そこにパートナーの精子を一緒にして受精する方法や、卵子の中に直接精子を送り込む顕微授精(ICSI)という受精方法を取ります。
その後受精卵は分割を重ね、順調にいけば5日目には胚盤胞という状態になり、子宮に戻すと着床し妊娠が成立します。

 最近の治療の傾向は、この胚盤胞を一旦-196℃で凍結し、母体の状態が最良となるタイミングで融解した受精卵を子宮に戻す治療方法を選ぶ患者が増えています。
これは妊娠率の向上が見込めることが一因と考えられます。

次に、体外受精の一連のフローを図に示します。

  体外受精の流れ  出典:慶應義塾大学病院 医療・健康情報サイト
体外受精の作業フロー                           

 卵子の大きさは直径0.1mmと小さいため、外径3mmの細長い特殊な容器の先端に付いたフィルムに乗せ、そのまま液体窒素に浸けて凍結します。
この容器にICタグを内蔵したキャップを取り付けると、ICタグ付きの卵子凍結保存容器が出来上がります。
タグの寸法は容器の径と同じなので、タグを取り付けても液体窒素タンクに収納可能な本数は変わりません。

 

 

  体外受精の流れ 体外受精の作業フロー


実際に液体窒素中でタグを読み取る作業を、下の動画で確認できます。

動画 YOUTUBE

卵子凍結保存容器に取り付けた黒いICタグを、リーダーに取り付けた延長アンテナで読みます。
発泡スチロール容器に入れた液体窒素中に沈めた3本の保存容器を、リーダーに取り付けた金属製の延長アンテナを液体窒素の中に入れ、容器のICタグを正しく、間違いなく読み取ります。
延長アンテナの先端のコイル径は小さく作られているので、隣り合った別の容器のICタグを読むことは無く、狙った容器を確実に読みます。

通信距離を80mmに拡大した高性能タグ(2.4x10.0x1.0mm)をラインナップに追加。